バッタ、キリギリスの仲間は、翅(はね)を広げて上から見ると、種類がわかりにくくなるものが多いので、正式にはこの標本製作はしません。ただ、カワラバッタのように後翅(うしろばね)の色や模様に特徴のあるものや、標本箱をバラエティに富んだものにするのにはいい方法です。複数採集できたら、やってみてください。
なお、バッタやキリギリスの仲間は、標本にする直前に、内臓を取り出して、綿を詰める作業がよく行われます。これは、標本の色をできる限り残すためですが、ここでは、手軽に標本作りをしていただきたいという考えから紹介していません。興味のある方はやってみてください。
標本製作法にはいろいろなやり方があります。ここで紹介する方法がすべてではありません。自分にとってやりやすい方法を工夫してください。
昆虫針をバッタに刺す前に、昆虫針に油(メンソレータムなどでも可)を塗っておきます。ひっくり返しにして標本を作るので、乾燥して標本箱に入れるとき、昆虫針を抜いて、背中側から刺し直すためです。
昆虫針は、前から見ても横から見ても展足板に垂直になるように刺しましょう。
始めに翅を広げ、展翅テープと止め針で固定します。
次に足を左右が同じ形になるように、止め針で固定していきます。
最後に触角を左右同じ開き具合に止め針で固定します。
このとき添えるメモは、三角紙などに書いたメモ程度のデータで構いません。これを元に、データラベルを作ります。
完成後は、1ヶ月ほどそのまま日陰の風通しのいい場所に置いてしっかり乾燥させます。このとき、標本を食べるゴキブリや他の虫が近づかないよう、展足板の近くに防虫剤を2袋くらい置いておきましょう。
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