チョウが死んで時間がたつとチョウが硬くなってしまい、そのままでは展翅(てんし)できません。軟化作業(昆虫を軟らかくする作業)をおこなってから展翅の作業を行います。
なお、標本製作法にはいろいろなやり方があります。ここで紹介する方法がすべてではありません。自分にとってやりやすい方法を工夫してください。
軟化器は、展翅をする2、3日前から三角紙に入ったチョウを入れておき、翅(はね)に湿り気を与えるために使います。
胸に熱湯を注射して、胸の筋肉を、ある程度軟らかくします。
注射後は、ティッシュを使って余計な水分をできる限り抜きます。
頭と触角の矯正(きょうせい)もここで行います。
翅が十分開くようにするため、うすめたボンドを針先に付けながら、翅の付け根の筋肉を何回も刺してやります。
これ以降は、普通の展翅と同じ作業をします。ただし、終了時、うすめたボンドを翅の付け根に少しなぞっておきます。
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